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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

 離れていた時間、ということは、やっぱり私は零一に会ったことがあるということで、言葉から察するに、もう何年も前のことだということになる。

 でも、いつ?

 零一の表情を見るために少しの距離を作り、その顔を間近に見る。

 けれど、顔を見たからといって、それがわかるわけもなく、私はわからないことを表情に出して見つめ返した。

「会ったのは、いつ……?」

「五、六年前、かな」

「何処、で?」

「雅緋が思い出せないくらい、ありふれた場所」

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