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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

「雅緋、俺の年はいいから、思い出して」

 柔らかな笑みを浮かべた零一が私の顔を覗き込んで首を傾げる。

「記憶にない」

「知ってる。でも、俺は昨日のことのように覚えてる」

「そんなにインパクトのある出会いだったの?」

「いや、一瞬みたいなものだから、日常にはよくあることなんだろうな」

「ねぇ、いい加減はっきり言って」

「言ったら、思い出すか?」

「言われてみないとわかるわけないでしょ」

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