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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

「雅緋、こっち向いて」

「や、やだ」

「どうして?」

「理由なんかな……っ! なんっ……」

 顔を逸らしたまま言うけれど、零一は私の首筋を急に舐めだす。

 右手は零一に掴まれ頬に触れたままで離してもらえずにいたから、もう一方の手で首筋を押さえて零一の唇を阻んだ。

 距離を取りたいのに、どうすることもできず、最後の手段は躯を丸めてガードすることだけだった。

「恥ずかしいのか?」

「あ、当たり前でしょっ!」

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