テキストサイズ

君の瞳に映るもの

第1章 朝から……?

 隣の男を起こさないようにタオルケットから抜け出して、床に足を下ろした、その時。

 体重を前に移動させたにもかかわらず、私の躯はベッドに逆戻りした。

 体勢を崩し、倒れ込んだ視線の先、寝ぼけた瞳と出会って息を呑む。

 長い睫毛の奥には、漆黒の吸い込まれそうな瞳。

「どこ行く? 寒い……」

「え……」

 タオルケットがふわりとなびいたかと思うと、筋肉質の長い腕が私の躯を抱き寄せる。

「ちょっ……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ