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君の瞳に映るもの

第1章 朝から……?

 ぎゅっと抱き締められ、一瞬ドキッとするけれど、こんな訳のわからない状況を受け入れられる筈もなく、私は男から離れようと腕の中でもがいた。

「暴れんな」

 更にきつく抱き締められ、必要以上に密着した素肌は、熱を帯びていくようだった。

 鼻先に男の首筋があり、引き寄せられて顔を埋めざるを得なくなる。

 嫌味のないほのかな香りが鼻をくすぐる。

 あ、いい香り。

 ……じゃ、なくって!

 ハッとして現実を思い出した私は男から離れようと試みるけれど、どういうわけか逃れられない。

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