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君の瞳に映るもの

第1章 朝から……?

 この香り、どこかで嗅いだことがあるような……。

 同じベッドで二人。

 記憶にはモヤがかかったまま。

 現実逃避したいのに、直に伝わる体温と一定のリズムで感じる鼓動が夢ではないと云っている。

 そして、この香り。

 これ、女物?

 不意に気づいたことが気になって、男の顔を見上げようとすると、男は私が逃げられないようにしたまま上に乗り、じっと顔を覗き込んでくる。

 直視できなくて、視線を逸らしてしまったのは言うまでもない。

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