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君の瞳に映るもの

第1章 朝から……?

「あ……」

「やらしい顔、してる……」

 不意に顔を覗き込まれて、思わず逸らしてしまうけれど、頬に触れて顔の向きを戻すと、男は溜め息混じりに囁く。

「俺の声に、感じてるのか……?」

「えっ、あっ…違っ……」

「違う…? 嘘言うなよ。俺の声がする度に、此処が締まるのは何でだろうな?」

「やっ、言わない、んっ……あっ」

 躯の僅かな変化で、それはバレてしまっていた。

 男が直に感じ取った感覚に嘘はなく、言い訳のしようがない。

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