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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 大人になる前のこと?

 思考を巡らせるけれど、やっぱり思い出せない。

 朝っぱらから躯を重ねてしまった手前、こんなことは言いたくはないが、この男、かなりモテる容姿の持ち主だ。

 抱かれながら、不覚にもときめいてしまった瞬間があったなど、口が避けても言えないけど。

 とりあえず、男には聞きたいことが山ほどある。

「……名前は?」

「山田太郎だ」

「はぁ? 明らか偽名でしょ。ふざけてるの?」

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