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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 零一の吸い込まれそうな瞳に見つめられ、思わず逸らしてしまう。

 同時にぎゅっと目を瞑ってしまって、零一がどんな顔で私を見ていたかなんてわかるはずもないけれど、不意に唇を指先で撫でられ、その指先は顎を伝い、喉を伝い、胸元で止まる。

 その指の動きを目を瞑った状態で感じていては、変な気分になってしまいそうで、途中で恐る恐る目を開けると、零一は目を細め、満足気な顔で私を見下ろしていた。

「あぁ……、思ったよりも痕がはっきりしてるな」

「え……」

 一瞬、何のことかわからず考えるけれど、指先が触れた箇所は、零一がきつく吸った所だということを思い出し、私の頬は熱くなった。

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