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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 そう思いながら零一の様子を伺っていると、知らず知らずのうちに抵抗してしまっていたのか、零一はゆっくりと唇を離し、触れるか触れないかの距離で私の瞳をじっと見つめてくる。

「約束の前に、覚えろ」

「なん、んんっ…っ、んっ」

「俺しか、触れられない場所が、何処なのか……」

「えっ、んっ……」

 それって、どういう……。

 ちゃんと言葉にして聞きたいのに、それすら言わせてもらえない息を奪うようなキスにくぐもった声だけが零れる。

 唇の奥に差し込まれた舌が逃げようとする私の舌を絡め取り、舐め上げる。

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