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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 私の指先を探し当てた零一の指先がその瞬間に絡み、強く握り締める。

 ヤバイから……。

 何なの、この、私のことが好きだよ、的な指の絡め方とか、何か独占欲を出したような言葉とか、キス、とか……。

 勘違いしてしまいそうな零一の態度に戸惑ってしまう。

 そんな私の心情を知らない零一は、息をつく暇もないキスで私の思考を奪おうとする。

 ここで自分を見失ったら、零一の思う壷だ。

 タイミングを見て、この腕から抜け出さないと。

 ――とは思うものの、自分自身の致命的弱点に気づいて、私は追い込まれていた。

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