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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 シャワーから出て、まだ一時間も経っていない午前中。

 まだ、昼にすらなっていない。

 シャワーから上がった直後に見た時間は、十時半。

 多分、まだ十一時にもなっていない、そんな時間。

 零一の手が優しさを含んでいるのは間違っていないみたいで、それを感じた私の心は揺らぎ始めていた。

 勘違いしてしまいそうになる、ではなくて、もしかしたら、すでに勘違いしてしまっているのかもしれない。

「雅緋……話は後だ」

「え?」

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