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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 どうしたらいい?

 こんな時、どう振る舞えば、お互いにとって良いと言えるのだろう。

 零一の手が私の手を掴み、ゆっくりと外すと、私の顔を覗き込み、短く息を吐いた。

 次の瞬間には視界が閉ざされ、私は少しもがいた。

「お前、ギャップありすぎ」

 零一に抱き締められていると気づいたのは、そのすぐ後のこと。

 頭のすぐ上で零一の声が響いて、顔を上げると、間近に困った顔があった。

 ギャップ?

 考える間もなく、きつく抱き締められてしまっていた。

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