双子のお兄ちゃん
第14章 幸福
「……蒼にぃ?」
私が蒼にぃにそう問いかけると 蒼にぃは怒ったような 悲しそうな そんな複雑な顔をしていた
「……せっかく…」
「…………?」
「……せっかく…せっかく瑠璃が俺のことを1人の“男”として見てくれたのに……!!翠がいると…また前のように戻ってしまう……!!俺は…もう前のように戻りたくない……!!…瑠璃を……俺だけのものにしたいのに…なのに……」
「…………!!」
(……蒼にぃは…そこまで私のことを想ってくれていたのに……わかってたはずなのに…私………また…蒼にぃのことを…傷付けた…!!)
私はもうかける言葉がなくて 下を向いてただ俯くことしかできずにいた…