テキストサイズ

うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第12章 【最終章】シテ欲しいならそう言えよ

事前に決めていた観光名所や、

この土地ならではの食べ物を堪能する。


「んー、これ美味しい♡ 裕貴、一口あげる」

「ありがと。あーん♡」


裕貴と和佳のバカップルぶりに顔を顰めながら、

むぅと蘭の視線は、恥じらう素振りもなく繋がれた2人の手に注がれている。


(た…食べさせ合う……は無理でも、手くらいは繋ぎたいな……)

チラリ…と、蘭は横を歩くむぅの手を盗み見る。


付き合って1ヶ月…

蘭の中にも、

”触れたい” ”触れられたい”

という気持ちが、ふとした時に沸き起こる。


(でも、自分からなんて恥ずかしい!)

幼馴染のうちは意識する事なく出来た事も、

今となっては、心臓はドキドキ騒ぐし、伸ばす手も緊張から震えてしまう。


和佳たちの繋がれた手を見ては、むぅの手を見つめる。

ハッとして慌てて視線を逸らしても、気付けばまた、和佳たちの手とむぅの手を交互に見つめている。

自分自身の乙女チックな行動を振り払おうと、蘭はブンブンと頭を横に振った。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ