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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第12章 【最終章】シテ欲しいならそう言えよ

ガシッ

散々見つめていたむぅの大きな手が、蘭の細い手首を掴む。

驚いてむぅを見上げれば、グイッと強く引き寄せられる。


暴れ出す心臓を感じれば、蘭の顔は一気に赤くなる。

そんな蘭の後ろを、

「すみませ〜ん」

チリンチリンとベルを鳴らしながら、自転車が通り過ぎていった。



「あ、ありがと……」

”手を繋ぎたい”

そんな気持ちが伝わったのかと思ったけど自転車を避けただけか…

勘違いに気付き、蘭は苦笑いを浮かべる。


「ボーッとしてんなよ」

ぶっきらぼうにそう言うと、蘭の手首からスッとむぅの手が離される。

思わず俯く蘭。

温もりの去った手首…

今は、その下が温かい。


(恋人繋ぎだ……)

離れてすぐに戻ったむぅの温もりは、蘭の指に絡みついていた。


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