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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第12章 【最終章】シテ欲しいならそう言えよ

ホテルの1階にある小さな土産物屋の前に、制服姿の蘭が立っていた。

むぅに気付き、蘭はブンブンと大きく手を振りながら駆け寄ってくる。


「むぅ! はい、コレ」

「何? お土産?」

今日行った観光地の名前が入った袋を渡される。


「うん、バレンタインチョコの代わり」

「……気にしてたんだ?」

むぅの口元は、思わずニヤける。


「お返しだけ貰う訳にいかないもん」

「…っ、気付いてたんだ……」

驚いて目を見開いたむぅに、

「うん、ありがとうね♡」

蘭は、コインケースを振って見せた。


「っ…よく、気付いたな」

熱を持ち始める顔を隠したくて、少し離れた所にあるソファーの方へと歩き出すむぅ。

パタパタと足音を立てながら、蘭もその後ろを追う。


「昨日、音羽が”忘れ物ないか確かめるよ”って、学校の鞄を逆さまにしたら落ちてきてね、

”神様からのプレゼントだぁ”ってはしゃいでたら、

音羽が”絶対むぅからだよ”って…」


─────音羽、ナイス!

たぁの分ケチって、音羽の土産奮発する‼︎

むぅは、心の中でガッツポーズしていた。


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