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不良君達のお気に入り!?

第4章 不良君はキス魔!?

「送ってくれて、ありがとう」



バイクを降りて、ヘルメットを優輝に返す。



「俺で良ければ、いつでも送るよ」



そう言うと、優輝はニコッと笑った。




「優輝、最近ちゃんと笑ってる」



「えっ?」



私の言葉に目を見開く優輝。



「優輝に初めて会った時、目が笑ってないって言うか、冷たいって言うか・・・・]



目を見開いたまま、何も答えない優輝。



「ゴメン、変な事言って・・・・・」



「あっ、いや・・・・・詩音ちゃん、凄いなって思って」



そう言うと、優輝は目を伏せ切ない表情を見せた。



「俺さ、人が嫌いなんだよね
特に、女は」



優輝の声はとても冷たく、恐怖さえ感じた



「俺の作り笑いを見向いたのは、詩音ちゃんで2人目だよ」



「2人?」



「うん、最初に見抜いたのは、魁斗」



優輝はその時の事を思い出したのか、優しく笑った。





「俺、中2の時にこっちに引っ越してきたんだ
転校してきた頃は、誰ともつるみたくなくて、よく屋上に行ってた」



顔を俯かせ話す優輝。



その顔は、どこか寂しげで
切なかった。



「その日も、いつもみたいに屋上に行ったんだ
けど、その日は先客が居て
それが魁人だった
魁人の事は知っていたけど、話した事はなかった」




優輝の話を、私は黙って聞く。




「屋上で初めて会った魁人の印象は、目が冷たくて、どこか冷めている感じが俺と似ているって思った
でも、初対面の奴にそんな事言える訳もなく、いつもの作り笑いで「どうも」って挨拶したんだ、そしたら魁人「お前の笑顔変、ちょんと笑えよ」って」



「スゲービックリしたし、失礼な奴って思ったけど、それ以上に嬉しさのほうがあった」そう言って、照れくさそうに笑う優輝。



「それから、魁人とつるむようになって、健太や亮や慎とつるむようになって・・
って、ゴメン
詩音ちゃん帰らないといけないのに話し込んじゃって」



「ううん、優輝の話し聞けて嬉しかった」



ニコッと笑うと、「話し聞いてくれてありがとう」と優輝も笑った。



「じゃあ、私行くね?」



「うん、また明日ね」



優輝に手を振り部屋に入る。



暫くすると、バイクのエンジン音が遠くなって行った。





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