ば ー ち ゃ る ⇔ レ ン ア イ
第1章 ⅰ.天使はただの道化師なのです。
………………………………………………………
「唯おはよ」
「あっ!唯ちゃんおはー!」
「春佳、七桜おはよ!」
私は教室に着くなり、
友達に笑顔で迎えられた。
素っ気ない方が、椎名春佳(シイナハルカ)。
ショートカットで長身、
所謂クーデレというやつらしく、
男女問わず人気がある。
もう片方のテンション高い方が、雨野七桜(アマノナオ)。
春佳とは対照的に、長い髪の毛を軽く巻いている。
こちらも人気がある女の子。
「…何、唯…また遭ったのか?」
「ふ、ぇ!?」
春佳の言う"遭った"というのは痴漢のことである。
毎朝の痴漢のことは、二人にだけ話してある。
それにしても勘の鋭さには驚いたなぁ…。
「春佳よく分かったねぇ…」
「…いや、何となくな。」
「えっ!唯ちゃん…大丈夫…?」
「ん、大丈夫♪ありがとう♪」
心配かけてしまって悪いなぁと思う。
これからは顔に出さないようにしないとなぁ。