ば ー ち ゃ る ⇔ レ ン ア イ
第1章 ⅰ.天使はただの道化師なのです。
「あ、てゆか唯ちゃんっ」
ふと思い出したかのように七桜がぽんと手を打つ。
なにその仕草…凄く女子力高かったんだけど…。
「今日の朝、隣のクラスの男の子が唯ちゃんを探してたよ?」
「え、隣のクラス…?」
「……どうせ告白かなんかだろ。」
「うん、私もそう思ったんだけどねー」
告白。
それは私にとっては珍しいことではなかった。
もちろん春佳や七桜も、よく告白されている。
私も同様に、よく告白というものをされるんだけど…。
「唯、きちんと断われよ?」
「わ、かってるよぉ…春佳ぁ…」
「…あんたは"天使"ってあだ名ついてんだから…」
「……は、はぁ!?」
て、て、てん…!?
そんなの初耳だった。
天使て…何とも言えない気分だ。
「そだよぉ♪
唯ちゃんは、茶色の長いふわふわの髪と笑顔が天使みたいって…
そう色んな男の子が言ってたよ♪」
「天使みたいって…あんまり嬉しくないわ…」
そりゃ、少しは嬉しい…
でも天使だなんて…私には勿体無い言葉だもん…。
「その"天使さん"は、告白をはっきり断れない悪い癖があるからな。」
「は、春佳ちゃん、そんなにそこを強調しなくても…」
「まぁ否定出来ない…ですねぇ…あは…」
私は所謂、優柔不断。
告白を上手くお断りできないのだ…。