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Solitude lonel

第5章 安堵

「はぁ…」

あれから三時間。

私はまだ頭の整理ができていなかった。

もうやだ…なんなのここ…。

それ以外なにも頭になかった。

と、その時ノックが響いた。


「…え。」
恐怖で顔が青ざめるのがわかった。

嫌だ…怖い…!

ノック音は止まらない。

コンコンコン、コンコンコン。

そして声が聞こえた。

「あの…?」
すごく弱々しい声。

あれ?…あの変態どもじゃ、ない?

ゆっくり扉を開けると、
芙優くん…?がいた。

「えっと…ふ、芙優くん?どう…したの?」
名前が出てこなかった。
というのはあの三人がイケメンすぎて、地味なこの子の印象が弱かったのだ。

「あの、えっと…ご飯、出前、と…るから、その…。」

…。

なんだろう。

ものすごいイライラするんだけど、この子…。


「こ、れ。メニュー…。」

「うん、ありがとう。」

とりあえず笑顔で返す。

「決まったら、僕に…言って…。リビング、に、いる」

「わ、わかった…」

「じゃあ…。…………」

「ん?」
芙優くんは首の辺りを見つめていた。

「そ、れ…」

「ぎゃああ!?!?ち、違うんだよ!?これはそーいうあれじゃなくて!」

そう。あの芙優くんが見つめているのはあのキスマークだった。

「…凛と、陽向、どっち…?」
「へ?」

な、なんで…?

「……あの。多分、無理やりられたんだと思うけど…、二人のこ、と許してあげてほしい…」
下を向いて、芙優くんは言った。
なんだかムカついてきて叫んでしまった。

「はぁ!?許せとか無理に決まってんじゃん!?だいたい、なんなのあいつら!やっぱり怪しかったここ!奏さんも怪しすぎる!」
多分、本音はこれだった。
そして芙優くんは

「…奏のこと悪く言わないで」
そう強く言った。

「ね、部屋、入っても、いいかな」

「…。」

「大丈夫、凛とかみたいなことはしない。」

「わかった…。」

そういって私は芙優くんを部屋にいれた。

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