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Solitude lonel

第5章 安堵

芙優くんは部屋の片隅に座った。
私はというとベットに腰かけていた。

「あの…ね」
芙優くんが小さな声で言った。

「ちょっとぶっ飛んだ、話だけど…聞いて…?」
私は無言で頷く。
「ありがとう。…どこから話そう、かな」



僕がここにきたのは五歳くらいのとき。

僕は親に捨てられた。
もういらないから、なんて理由で。
居場所がなくて、ずっと公園で寝泊まりしてた。
でもあるひ、その公園の前に車が止まってたんだ。あんまり人が来ない公園だったし、変だなあとは思ったんだけど…。

そして車を見つめていると中から奏が出てきた。
「あなたが、芙優くん?」
そういって奏は僕に手を伸ばした。

そこからは、…まあわかると思うけど。日和ちゃんみたいにここにつれてこられた。

僕がここにきた経緯なんてそんなもの。


次に……凛。
凛の家はお金持ちで…なんかの会社なんだって。詳細は話したくないらしくてなんていう会社かはわからないんだけど。

凛は親に、進路、夢、婚約…様々なことが言いなりだった。

『うまくやらないと怒られる』

『父さんと母さんのいう通りにしないと。』

『…なんで?』

『将来は自分で決めたいのに』

『僕はどうしたい?』

そんな風に自分自身を問い詰めて、問い詰めて。
そして______その感情が爆発した。

小さな子供の反抗。
それすらも凛の両親は許してくれなかった。

『「お前は、俺たちのいう通りにしろ」』
そういって父親は一日中凛を何度も、何度も叩いた。

そして、部屋の鍵に手をかけながら

『お前にはがっかりだ。』

そう放った。

そして凛は家を飛び出した。


いつの間にか知らないところにいて、
泣きわめいていた。

そして、泣きわめく凛を見つけたのは…奏。


これが凛がここへ来た理由。





「まぁ僕と凛はそんな感じで、奏でに助けてもらった。……鏡夜と陽向のは、本人にきいて?」

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