冴えかえりつつ 恋
第5章 春休み
ピロロン♪♪♪ ピロロン♪♪♪
遥暉の携帯が鳴った。
「はい、丸山です。今…河川敷の公園でスケッチしに…、…岡田さんと…偶然会って…、え?はい、待ってます。」
「上出君?」
「はい、今からココに来るって。」
「じゃ、僕は帰ろうかな。」
犬のリードを持ち直し、立ち上がり掛けた泰弘の袖を遥暉が引っ張った。
「上出先輩にもアトムを紹介したいです。」
袖を引く仕草と引き留める言葉に心臓がドキドキしてストンと腰が抜けた。
「じゃあ、あと少しだけ…。」
昨日の上出の表情を思い出すと、早々に退散した方が良いように思えたが、目の前の遥暉が可愛くて、立ち上がれなかった。
仕方なく上出が来るのを待つことにした。
しばらく絵画展の話をしていたが、そうなると昨日の上出の表情が泰弘は気になりはじめた。
思い切ってアトムとじゃれている遥暉に上出のことを聞いてみることにした。
「ところで、上出君は月陵高校だろ?頭がいいんだね。」
「はい、文武両道。明朗快活。
スーパーマンです。」
「あはっ、それこそ褒めまくり、だね?」
---上出君のことが好きなんだな。仲がいいんだ。
嬉しそうに話すようすを微笑ましく思っていると、何かを思い出したように「あっ」と小さく声をあげたあと、愉快そうに上出を語る。
「でも、芸術オンチ‼︎ です。」
「確かに、昨日もあまり熱心に観ているようには見えなかったね。」
「きっと、--腹減ったぁ、絵で腹は満たされない--とか、考えてたんじゃないかと…。」
「あははは、丸山君も随分なこというねぇ」
泰弘は声をたてて笑った。
「丸山君といると、楽しいな。癒やされー」
キキーーーィッ!
遥暉の携帯が鳴った。
「はい、丸山です。今…河川敷の公園でスケッチしに…、…岡田さんと…偶然会って…、え?はい、待ってます。」
「上出君?」
「はい、今からココに来るって。」
「じゃ、僕は帰ろうかな。」
犬のリードを持ち直し、立ち上がり掛けた泰弘の袖を遥暉が引っ張った。
「上出先輩にもアトムを紹介したいです。」
袖を引く仕草と引き留める言葉に心臓がドキドキしてストンと腰が抜けた。
「じゃあ、あと少しだけ…。」
昨日の上出の表情を思い出すと、早々に退散した方が良いように思えたが、目の前の遥暉が可愛くて、立ち上がれなかった。
仕方なく上出が来るのを待つことにした。
しばらく絵画展の話をしていたが、そうなると昨日の上出の表情が泰弘は気になりはじめた。
思い切ってアトムとじゃれている遥暉に上出のことを聞いてみることにした。
「ところで、上出君は月陵高校だろ?頭がいいんだね。」
「はい、文武両道。明朗快活。
スーパーマンです。」
「あはっ、それこそ褒めまくり、だね?」
---上出君のことが好きなんだな。仲がいいんだ。
嬉しそうに話すようすを微笑ましく思っていると、何かを思い出したように「あっ」と小さく声をあげたあと、愉快そうに上出を語る。
「でも、芸術オンチ‼︎ です。」
「確かに、昨日もあまり熱心に観ているようには見えなかったね。」
「きっと、--腹減ったぁ、絵で腹は満たされない--とか、考えてたんじゃないかと…。」
「あははは、丸山君も随分なこというねぇ」
泰弘は声をたてて笑った。
「丸山君といると、楽しいな。癒やされー」
キキーーーィッ!