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冴えかえりつつ 恋

第5章 春休み

「・・・・・・。」

 泰弘は言葉を失ってその様をマジマジと見ていると、上出が小声で言った。

「遥暉は坊ちゃん育ちでコンビニなんて入ったことがないのかも知れないです。
一緒に出かけると小さな子どものお使いを見ているみたいで面白いですよ。
こんなのは日常茶飯事、可愛いでしょ?」


 昨日の不愛想な上出とは別人のように、柔和に微笑んでいる。


「はぁ、たしかに、可愛いけど・・・」


――上出君は丸山君の『ママ』?




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