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冴えかえりつつ 恋

第11章 親友以上、恋人未満

「やっぱり。山口さん限界点超えた感じ…」


困惑したように二人を見送って呟いた遥暉に反し、上出は関心がない様子だ。

「夕方から天気崩れるらしいから、30分待って戻ってこなかったらあとは2人でフレームを買いに行こう」


「なんだか、山口さんかわいそう…」


「なんで山口?」


上出は理解しがたいというように遥暉をみた。





圭一は怒りに任せてズンズン泰弘を引っ張って歩いていた。


「圭!! 放せよ。シャツが皺になるからっ!!」

「あっ、ごめん。」


やっと圭一は掴んでいたシャツを離し、公園の花壇の端に腰掛けた。

泰弘も隣に腰掛けた。


「何をイライラしていたんだ?」

「俺は、お前が丸山ばかり気にかけてるから・・・」

「独占欲も大概にしろよ」



泰弘は圭一のいつもの独占欲からくる我儘程度にしか思っていないだろう。



圭一は隣にいる鈍い想い人を見て、溜め息をついた




圭一は、泰弘に中学の入学式で一目ぼれして以来5年も片思いしている。


どれほど言葉や行動で好きだと示しても、冗談として受け流してしまう泰弘。



泰弘は物言いた気に自分を見る親友に、深く溜息を吐いた。



「圭一が退屈なのはわかるよ。

ただ今日は僕が彼等を誘ったのだからホストしないといけないと思って…。

それに丸山君は健康上の理由で一人での外出には不安があって・・・、だから、構いすぎてたかもしれない。
圭が言う通りナイト役は上出君に任せればいいのかもしれないけど・・・」


「丸山のこと好きなのか?」



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