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冴えかえりつつ 恋

第14章 告白

上出は長いこと押し黙ったまま、身動きもしない。


遥暉は長い沈黙に怯え身体が震えた。



「ごめんなさい」



告白をした以上、元の関係には戻れない。



精一杯の気持ちを伝えた。

それでいい。



「先輩を困らせるつもりはないので・・・」



遥暉がベッドから降りようとする気配。



上出は暗闇の中でも正確に遥暉の腕をつかんだ。


「いま考えてるから・・・、逃げるな」



「--ッ!考え・・・てくれるの・・・」



暫くして遥暉を掴んだ手に手を静かに重ねられた。


遥暉の冷たい手が微かに震えていた。


上出は動揺していた。

――遥暉との関係を変えたくない。
  本当にそうか・・・?

――遥暉が応えてくれるなら、もうこれ以上自分の気持ちを誤魔化す必要はないだろう。
  でも、清廉純粋無垢な遥暉を自分のものにしていいのか。




「お前が望むならーーーそばに居たいと思う。守りたい。
でも---俺でいいのか」




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