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Destiny

第6章 チャンス

翌日、拓也はいつ総務部へ行くのか気になってそわそわしてしまった

もう既に行ってたりして…

そう思うと居ても経ってもいられず拓也の元へ向かっていた


「拓也っ」

拓也はデスクで仕事をしていた

「竜司が来るなんてめっずらしい~」

席を立ち、こっちに歩いてきた 

「どうした?」

総務部いつ行くんだ?なんて聞いたらおかしいよな…

「ちょっと一息つかないか?」

とりあえず誘ってみたが、拓也はキョトンとしていた

自販機で缶コーヒーを買い、近くの椅子に腰掛ける

「何かあったのか?」

うっ

そりゃそうだよな

いつも拓也が来るから、俺から拓也に声を掛けるなんて滅多にないし…


「ただ一息つきたかっただけだよ」

「ふぅ~ん」

納得してないようだったが、拓也は何も言ってこなかった


「そういや、デートのお誘いは成功したのか?」

拓也は一瞬驚いたが、すぐに意味深な笑みを浮かべた

「はっは~ん。なるほどね。そうかそうかっ」

「な、なんだよっ」


「いや?べっつに~」

やっぱり不自然だったか

「さて、一息ついでに総務部行こうかな~」

そう言うと、拓也はコーヒーを一気に飲み干し、エレベーターホールに向かった

「竜司も来る?」


昨日みたいに強引に連れてかないのかよ

俺が戸惑ってると

「竜司も行こーぜ」

最初からそう言えばいいんだよっ

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