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Destiny

第6章 チャンス

もう夜も遅いしいつまでもここに居るのもね

「いつまでもここに居るのも何だし、とりあえず家に行こうか」

俺は彼女の手を引き歩き出そうとした


「ちょっ、ちょっと待って!」

「何?」

彼女は手を振り払おうとしてきたけど、俺は手を離すつもりはない

こんな状況のときに申し訳ないけど、池内さんと親しくなるチャンスなんだ

彼女が俺に振り向いてくれるかどうかはわからないけど、それでもかまわない

それに彼女をほっとけないのは事実だ


振り向くと彼女は俯いた


「どうしたの?」


「どうして私の名前…」

拓也が聞いてくれたから知ってる


「だって同じ職場じゃん?」

課は違うけどね

「へ?」

彼女は俯いてた顔を上げキョトンとしている

「誰?」

ガーン

知らなかったとわかっていても傷つくなぁ


「ひどいなぁ。誰?って…」

苦笑いをしながら彼女を見つめた


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