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Destiny

第12章 ご対面

次の週末、竜司さんがドライブに行こうと言ってきた

竜司さんは運転が好きなようだ

朝からお弁当を作って出かけることにした


どこに行くかは決まってなく、竜司さんのその時の気分で適当に車を走らせることにした

一時間も走らせると長閑な風景が目に入ってきた


「この辺で一回降りてみようか」


車を止めて散歩をすることにした


小高い丘のてっぺん目指して歩いてみる


はぁっはぁっ

見た目舐めてた…

意外とキツい


「結衣ちゃん」

ふと顔を上げると、竜司さんが私に向かって手を伸ばしていた

えっ?

「クスッ、疲れたんでしょ?手出して」

私が手を伸ばすと、竜司さんは私の手を引っ張って、緩やかそうに見えて何気にキツい坂道を登っていった

デートみたい…

さっきまでキツいと思ってた事も忘れて、繋がれた手を見つめていた


竜司さん、彼女居るのかな…

居たら一緒に暮らしたりしないよね…

基本、週末も私と一緒だし…

きっと居ない…よね…?


「疲れちゃった?」

聞こえてきた声に顔を上げると、竜司さんが心配そうにこっちを見ていた

「いえっ、結構キツいなと…運動らしいことしてないし」

「はははっ、じゃあ一緒に体力作りで毎日走っちゃう?」

「嫌です!」

「即答だしっ」

竜司さんはケラケラ笑っていた


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