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さよなら、またね。

第2章 蒼士side



あの頃の俺は大層酷い男だったと思う。

仕事が軌道に乗って、昇進の話しも出ていた。

女は、そういう男に寄ってくることも分かっていた。


妻は可愛い女だったと思うが、日がな一日家にいる妻の、面白くもない話しを聞くのは苦痛だった。


だから時々、外で遊んでくることもあった。
その場限り、一夜限りの女。

彼女たちは性欲処理には適材だった。
彼女たちを抱いた後は、妻の話しも穏やかに聞いていられたし。


その頃は、妻と結婚を決めた理由さえ忘れかけていた。


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