さよなら、またね。
第2章 蒼士side
俺と妻の出会いは俺が勤めている会社だった。
俺は社会人4年目、妻は新入社員。
見た目は悪くないと自負していたが、最初にアプローチしてきたのは妻の方だった。
妻は、まだ幼さは残るものの、美人という形容詞がピタリと当てはまる女だった。
誘われるまま食事に付き合い、そのまま交際に発展した。冬には婚約し、春には籍を入れた。
妻に決めたのは、なんでだったっけ?
あぁ、ちょうど良かったからだ。
親には連絡がくる度『結婚』の二文字を小出しにされ、上司からも『見合い』の話しをされ・・・
どうせ結婚するなら、見た目のいい女を自分で選びたかったからだ。
本当に最低だ。
俺はどうやら、心底最低男が染み付いていたようだ。