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嘘でもいいから

第4章 想いの迷宮

食事が終わった私たちは
美しくライトアップされたお城の
周りを歩きながら
ゲートの方向に歩き始めていた。


「…お父さんは…今はお一人で?」


突然、想さんが訊いてきた。


私も何か話さなきゃと思っていたけど
優花さんや隼人、向井さんの話に
ならないようにしたいと思うと
口数が少なくなってしまっていたから
…ちょうど良かった。

私が、本当ならしなくてもいいような
お父さんのいろんな話を面白おかしく
すると…想さんは
楽しそうに聞いてくれた。


「はははっ…
本当に面白いね、お父さん。
優花ちゃんが優しくて明るい子に
育ったのはお父さんのおかげだね?
…それにしても…幻想的だね。」


お城のある夜景を見て目を細める
想さん…

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