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嘘でもいいから

第5章 初めてを貴方に

「いや、本当にごめん。
今のは冗談だよ。
優花ちゃんが覚えてくれていて
本当にうれしいんだ。
俺、本当に君が好きだよ」


「向井さん…」


店員さんがやって来て、
プレートに華やかに彩られた
ランチを置く。


その間も向井さんの真っ直ぐな目は
私を捉えたまま離さなかった。


こんなストレートな告白…


「奥さんとはね、
もう別れる話になっているんだ。
なかなか進まない事情があるけど…
お互いに気持ちは無い。
だから、優花ちゃんがこの先
気に病むことはない」


「え…?」

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