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失恋少女のアバンチュール

第4章 海のハプニング!




昨日は1日寝て過ごしてしまったからか、妙に早い時間に目が冴えた。


時計を見ると5時。
外はうっすら明るくなっている。



友達が朝の散歩は気持ちいいって言ってたなぁ。


朝食まで時間はあるし、前の海辺を散歩してみよう。



お気に入りの白いキャミワンピに薄ピンクのカーディガンを羽織って外に向かった。



ホテルのロビーも人は疎らで静かだ。



ホテルから直接海辺に行ける扉を開くと南国らしい暖かい風が私を包んでくれる。


「わぁ、気持ちいい。」



海岸沿いに歩いていると同じように散歩をしている男性に出会う。
素通りもおかしいかな。言葉とか通じると良いんだけど…

「ハ、ハロー?」


「Hello.…あれ、何処かで…?」



途中から聞きなれた言語に変わり顔をあげた私は驚きを隠せずにいた。



偶然にも、会いたいと思っていた飛行機の彼が居たから。


「おはようございます!偶然ですね?飛行機では色々ありがとうございました。」


「あぁ!あの時の子だったんだね。
グアムは満喫できてる?」

「あはは、それが…まだ何処も出てなくて。あ、でも!今日は海で遊ぶ予定です。」



彼には申し訳ないと思いつつ、まだ何処にも出ていないことを素直に打ち明ける。



「海かぁ…あ、じゃあ今日は俺と海で遊ばない?仕事も無くなって暇してたんだ。」



彼の言葉に驚きながらも心を弾ませていた。
言葉が上手く出せずに頷く動きで返事を返す。
その動きが可笑しかったのか笑われてしまった。



「ははっ、じゃあ…9時頃にホテルに迎え行くよ。ホテルは何処?」


「そこに見えるホテルです。」


「分かった。これ、俺の連絡先だから何かあったら電話して?それと君の連絡先教えてもらえる?」



彼からもらった名刺には携帯番号とメールアドレスがあった。私も連絡先を教えた。名刺の名前欄を見ると【藤野 樹】

「いつき、さん?」


「それね樹って書いて、たつきって読むんだ。」




名前までお洒落とかズルい…なんて。




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