責められたいの
第20章 ゴウカクイワイ【完】
「え……で、でも……こんなに? だって太ももまで……」
きーくんが信じられないものでも見るように私の股間を見つめる。
「だめ……きーくん、見ないでっ……!」
私の強い言葉に、きーくんの身体がビクッとなる。
姉思いのきーくんは、私に逆らうことなんてほとんど無いんだから。
でも……今日のきーくんは、一度は逸らそうとしたその目を再び私のその部分に向けてきた。
「だ、だって……見せてくれるって約束だよ……せっかく合格したのに。一度だけだから……」
勉強机の上に置いてある、ダルマの形の必勝守りが視界に入る。
青いフェルトで出来た……私の手作りだ。
『あんなすごい学校に合格したら、お姉ちゃん何でも買ってあげる。これでもまあまあ稼いでるんだからね――』
『何でも……本当に?! 俺、欲しいものなら決まってるんだ――』
『任せなさい!』
お守りを渡す時に、そんなやり取りをしたのはつい二ヶ月ほど前のことで。
私はてっきり、最近発売されたばかりのゲーム機をねだられるものだと思っていた。安い買い物ではないけど、それなら私でも買える。