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愛され方の方程式

第3章 早すぎた夏

ナルシ金髪の言葉に、俺は思わず相手を威圧してしまった。だが、俺は俺を止められなかった。

「お前、見ず知らずの人間をよく愛せるなんて軽々しく言えるな。お前の中で愛ってのはなんなんだ?」

いつもより、数段低い声で、問いかける。

「は?そんなもの愚問だね。愛ってのは僕の魅力に溺れてくれる人に対して僕から贈る最大のプレゼントさ」

「…やっぱくだらねぇ、つまらねぇ物なんだな。愛ってのは」

次は俺の言葉に、ナル金が噛み付いてきた

「なんだと…。キミは愛というものが理解できてない。理解できてないモノをくだらない、だと」

「理解なんざ必要ない。この世に愛なんざ存在しない。あるのは欲望だけだ」

「愛はある。俺ら人間がこの世に生き続ける限り耐えることなく。」

睨み合いが続く。 そして、予鈴が鳴り響く。

「…キミのような人間と話していたせいで僕が教師に注意されてしまうではないか。」

「………たわけ。こっちの台詞だ」

ナル金は黙って踵を返した。

「キミ、名前は?」

「………ない。」

「…そうか。僕は 如月 ソラ 。いつかキミに愛という物が存在することを証明してあげよう。」

そう言って、アイツは図書室を出て行った。

「ほら、あんたも授業始まってんだからはよ行きなさい」

図書室のおばさん、居たんですね。

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