テキストサイズ

色にでにけり 恋

第15章 エピソード 1

俺がお茶の入ったグラスを持って部屋に戻ると、唐突に遥暉が電話を替わると言っている。


「先輩に替わりましょうか?」



遥暉が上出にスマホを渡す。



『あぁ、いやぁ・・・

上出君が勝ったそうだから、どんなかなと思って訊きたかっただけで・・・。

まさか、今日はお泊り打ち上げ会だったなら、お邪魔しちゃった・・・ぁ・・・ははっ。』



電話の向こう側では、未だ遥暉に話しかけているようだ。

なぜか後半は小声だ。



「・・・。」



電話を耳に寄せ、泰弘さんがモゴモゴ喋っている内容に俺は言葉を失い、遥暉を見た。


--泊まりに来てること話したか・・・?


「 ? 」


後ろめたさの微塵もない表情で俺を見ている。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ