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色にでにけり 恋

第3章 障壁

『犬養の女性たちは強いですから。』


以前に遥暉がそう笑ったことがあった。


犬養家から嫁いできた丸山夫人だからこそ、犬養の統首という重責を理解し、可能な限りの自由を遥暉に与えてくれる・・・・・・と遥暉は言っていた。


そして由美だけが”ただの遥暉”として接してくれたことも。


遥暉がそこから逃れられないなら・・・・・・

俺は、その場所が苦痛でないように支え、

遥暉が自分の意思で歩みたいと思えるように、

世界を塗り替えてやりたい。


中学生だった頃は遥暉が上出の世界に花を添えていたように。


--これからは俺が遥暉の世界を大切にしたい。


遥暉がいつも朗らかな笑顔で居られるように、強くなりたい。




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