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色にでにけり 恋

第3章 障壁

聡が話を続ける。


「成程。

きっと何か意図があってのことだろうが、今の処は分らないけれどね。

由美と遥暉を信じて意見を通したんだが、それでも心配なんだよ。

それに上出君を巻き込んでしまって、本当にすまない。」



上出は迷惑どころか、由美にはとても感謝している。


「仲のいい姉妹で羨ましいです。」

「姉妹?」

「遥暉が以前そう言っていました。
姉妹みたいに育った、って。」

「成程、本人がそう思っているのなら、尚更、性質が悪いな。アレは頑固だし、わがままで困るよ。
母は下の二人を甘やかしすぎだ。」


遥暉をアレと呼び、性質が悪いといいながら、嬉しそうに笑っている聡。


--悪い人ではないのだ。




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