テキストサイズ

色にでにけり 恋

第4章 宣戦布告


校門に藤蔭学園の学生が立っている。


背格好は遥暉と変わらないが、髪は少し脱色されてアイドルのような容姿だ。

ふと目があった瞬間、大声で呼び捨てにされた。


「見つけた!!お前、『宮中の上出』だろう?!」


校門前で仁王立ちで上出を指差した。


上出も驚いたが、下校途中の他の学生達は「殴りこみか?」「喧嘩か?」と興味深々に立ち止まる。


上出は『ミヤチュウ』と名指しされたことで、相手が水泳関係者と察しはついた。


「そうですが、どちら様ですか?」


無礼な相手の登場にも動じず、上出は尋ねた。


「俺は藤蔭学園2年保坂泉。丸山遥暉のことで話があって来た。」

「遥暉のこと?」


上出は少し警戒し身構えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ