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色にでにけり 恋

第5章 敵の正体

「上出君、今帰り?」


水泳部のマネージャーが背後から声をかけてきた。


「ん?ああ、丁度好いところで会った。」

「何?」

「明日から部活参加するから、ヨロシク。」

「ふ~ん、保坂泉と関係あり?」


マネージャーが保坂を知っているとは想定外だった。


「保坂のこと知っているならデータをくれ。」

「ええ?知らなくて勝負を受けたの?」

「話しを聴いてたのか?」

「校門で他校生がいれば目立つからね。
気になって立ち聞きちゃいました。
いけなかった?」

「ま、いいさ。
そんなことだから、明日からコース借りるぞ。」


「2週間1コースを貸す交換条件として、今年は週1回部活と夏の合宿に参加すること。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」


マネージャーの視線が絶対譲らないと語っている。


「わかった。」


さすがに月陵の学生はアホ坂のように丸め込めない。

背に腹は替えられぬ。

遥暉から危険因子を遠ざけるのが最優先だ。


「上出君でも、熱くなることあるのね。」


マネージャーはニタリと笑った。

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