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色にでにけり 恋

第6章 もう一人のポセイドン

朝、いつものY字路で遥暉を見送り上出も学校へ歩き出そうとした時、泰弘に呼び止められた。


「上出君、おはよう。」

「あ、おはようございます。」

「ちょっと来い。」


上出が軽く頭を下げ挨拶すると、圭一に腕を掴まれ藤棚の陰に連れ込まれた。


「ちょっ、何すんですか。」

「それはこっちのセリフだ。」


圭一が上出に詰め寄る。


「お前ハルちゃんに何した?」

「遥暉に?何も・・・。」

「何もしてないのか?じゃあ何かされたか?」


圭一が何を言いたいのかさっぱりわからない。


「何の話ですか?!」

「本当に心当たりない?」


「だから何が?」


いつもは柔和で可愛い泰弘の顔が少し怒っているように見える。


「じゃあ、なんで丸山君のこと避けているのかな?」



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