テキストサイズ

色にでにけり 恋

第6章 もう一人のポセイドン

「というワケで、そのうち享邦学院に見学に行く約束してたよ」



泰弘のことばに圭一が意外そうに呟いた。


「ハルちゃんって、そういう無茶するんだ・・・」


「・・・します。
まあ、合気道もやっていたし大丈夫でしょうけど・・・」


「でも痴漢には遇うんだ」


上出のことばに泰弘が首をかしげる。


「護身術知っていったって、混雑では身動き取れませんから。
痴漢なら声出さないとダメですよ」


「ふぅ~ん。やっぱり皿を引くのが一番なんだ」


圭一が真顔で言う。


「享邦学院はあまりいい話を聞かないぞ」


「大丈夫かな」


「保坂海斗なら大丈夫、俺も知っています。
そうか、保坂泉は海斗の従兄か・・・、それであの宣戦布告だったんだ」


やっと謎が解けてすっきりした気分の上出だった。 




ストーリーメニュー

TOPTOPへ