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色にでにけり 恋

第9章 マーメイド

ーー!!

「おい!」


上出は学生を呼び止めた。


「姫っていうのは、丸山遥暉の事か?」

「そうだよ、行くか。」

――何で遥暉が・・・・・・?
  今日は日本画の先生の処へ行くと言っていたのに・・・・・・。


プールのフェンスに人だかりができていた。


人込みをかき分けてフェンスに張り付く。


4コースの跳込み台の前で白いトレーニングウェア姿の遥暉がストレッチをしていた。


背中には『miya-swimming』の青いロゴ。


「ハルキ!!」


華奢な後姿に向かって叫んだ。


「上出先輩・・・・・・。」


遥暉が振り向いて、安堵したように微笑んだ。






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