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色にでにけり 恋

第9章 マーメイド

プールサイドに保坂を見つけて上出は叫んだ。


「保坂っ!!約束が違うだろう!」


保坂がフェンスの中から上出を見下ろした。


「五月蠅い!!

本人がやるってんだから文句ないだろう!

後でお前の相手もしてやるから、疾っとと上がって来い。」


「くっそぉ!!」


「そらぁ、他の1年もコースにつけぇ!」

「はいっ!!」


保坂の掛け声に何人かがコースに着いた。



遥暉もトレーニングウェアを脱ぐ。


「ほぉ~。」

「しっれーー!」

「あれ見ろ、ほら。」

「あの傷・・・。」



周囲から感嘆が漏れるなか、

混じり聞こえる

遥暉が知られたくない

傷への好奇の視線。




上出がプールサイドに上がった時、

遥暉がゴーグルを抑え肩を揺すって飛び込み台に上がった。




左腰にうっすらと浮かぶ傷跡。








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