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色にでにけり 恋

第1章 学校へ行こう

遥暉と上出は元々中学時代の先輩後輩の仲だ。


上出と遥暉は、中学の水泳部で『宮中のポセイドンとマーメイド』と呼ばれ、中学水泳関係者の間ではちょっとした有名人だった。


高校生になった今は二人とも競泳から遠ざかっている。


特に遥暉は中学2年の秋、部活中の事故で大きな怪我をして以来、

何時発症するかわからない後遺症の為に一人での外出にさえ不安があった。


だから遥暉が藤蔭学園へ慣れぬ電車通学をすることを心配した家族が、

中学の先輩だった上出に登下校の付き添いを頼んだこともあり、

一時疎遠になった二人の仲も以前にもまして親密な関係になった。



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