色にでにけり 恋
第1章 学校へ行こう
遥暉は容姿や趣味は繊細だが、芯は全くの男子だから痴漢に無頓着なのは仕方が無い。
こんな調子で上出の通学の心配事は単純ではなくなっていた。
釈然としない先輩たちのアドバイスだが、遥暉の為ならそうすべきだろうーーーと上出は痴漢にあったことなど微塵も感じさせない清々しい後輩に忠告する。
「遥暉、サマーベストを着ろよ。
『猫を追うより皿を引け』だ」
上出の言葉に三人は吹き出した。
「僕が『ご馳走』ですか?」
「本当に上出君は丸山君が大事なんだね」
上出の背中をポンポンと叩き、優しく微笑む泰弘。
「俺だって尽くしてきただろう、泰弘」
耳元に、圭一が囁き息を吹き掛けると、泰弘は一瞬にして真っ赤になり立ち止った。
「朝っぱらからやめろよ!!」
相変わらずアツアツな二人をその場において、上出はさっさと歩き続けた。
遥暉は歩きながら公道であろうと気にせずいちゃつく二人を少し羨ましく思った。
こんな調子で上出の通学の心配事は単純ではなくなっていた。
釈然としない先輩たちのアドバイスだが、遥暉の為ならそうすべきだろうーーーと上出は痴漢にあったことなど微塵も感じさせない清々しい後輩に忠告する。
「遥暉、サマーベストを着ろよ。
『猫を追うより皿を引け』だ」
上出の言葉に三人は吹き出した。
「僕が『ご馳走』ですか?」
「本当に上出君は丸山君が大事なんだね」
上出の背中をポンポンと叩き、優しく微笑む泰弘。
「俺だって尽くしてきただろう、泰弘」
耳元に、圭一が囁き息を吹き掛けると、泰弘は一瞬にして真っ赤になり立ち止った。
「朝っぱらからやめろよ!!」
相変わらずアツアツな二人をその場において、上出はさっさと歩き続けた。
遥暉は歩きながら公道であろうと気にせずいちゃつく二人を少し羨ましく思った。