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色にでにけり 恋

第10章 決着

プールサイドのスタンドは学内にいる殆どの学生が集まっていた。


何故か月陵高校の水泳部員もいる。



「対外試合宛らだな。」



アップを終えた上出はコースのベンチについた。




遥暉の方を見やると、何を考えているのか、

ボンヤリ水面を眺めている顔に水紋が反射して、
疲れているように見えた。



――遥暉、笑ってくれ。



上出の声が聞こえたのか、遥暉は不意に顔を上げいつものように穏やかに微笑んだ。



「よぉしっ!!」



上出は拳を握り気合を入れた。


保坂が隣のコースでビクリと肩を震わせた。


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