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momo

第1章 はじまりは

さっきよりも軽くなったヒールの音を響かせて歩く。

携帯のマップ通りに進んでいた足をとめて、わたしの目はひとつのお店に釘付けになった。



「cafe momo」



看板にそう描かれた一軒家は、都会から程近いこの場所には不似合いな柔らかい雰囲気を醸し出していて、肩の力が抜ける。

わたしは映画に行こうとしていた事も忘れて、吸い寄せられるようにそのカフェに入っていった。

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