
momo
第2章 その場所は
「驚きました!」
「本当にすみません!」
ふらふらとお店に入ったわたしに飛びついてきたのは大きなゴールデンレトリバーだった。
スタッフさんは自分が目を離したせいだとさっきからずっと謝っている。目がくりくりしたかわいい男の子。申し訳なさそうな顔が完全に子犬だ。
「歓迎してくれたんだよね?ありがとうね」
わたしはモモに笑いかけ、耳の裏を掻いてやった。
犬好きの人だとわかった男の子がほっとしたのがわかった。
「モモはここのボスなんですよ。後おれは樹(いつき)って言います。よろしく。」
にっこり笑って樹くんは言う。
「あの、さっきからお聞きしたかったんですけど、ここって一体...」
「ここは保護犬カフェなの。」
